Kurume・Tosu Internet Conference

「The Journal of Internet」 Volume4,2000 || H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13 || 14|| 15

「2000年インターネットの動向」
久留米・鳥栖地域インターネット協議会 事務局長
内堀  雅博
Masahiro Uchibori

用語解説

次世代携帯電話 IMT-2000
IMT-2000【International Mobile Telecommunication 2000】

国際電気通信連合(ITU)が2000年の規格制定を目標に標準化を進めている次世代携帯電話の方式。2GHzの周波数帯を使い、有線電話並みの高音質の音声通話や最大2Mbpsの高速なデータ通信、高速なデータ通信を応用したビデオ電話などの各種の通信アプリケーションを実現する。世界標準として全世界で同じ方式を普及させるとこを目指している。1980年代の音声通話を中心としたアナログ方式が第1世代の移動通信システムで、現在の携帯電話で利用されているデジタル方式が第2世代、IMT-2000が第3世代に当たる。
日本とヨーロッパからはNTTドコモやEricsson社開発したW-CDMA方式が提案されている。北米からはQualcomm社などを中心にcdma2000方式が提案されている。
NTTドコモ、J-フォン、DDIセルラー/IDOの3つの携帯電話事業者グループが次世代携帯電話IMT-2000の事業認可申請を行った。アクセス方法としては、NTTドコモとJ-フォンでは「DS-CDMA(W-CDMA)方式を、DDI-セルラー/IDOでは「MC-CDMA(cdma2000)」方式を採用すると発表している。

ユビキタス コンピューティング
〔ubiquitos computing〕

至るところにあるコンピューターをいつでも使える環境を構築すること。

 

2000年版通信白書によると、我が国のインターネット利用人口は99年末で前年比約60%増の2706万人に達し、全体の数字では米国に次いで世界第2位となっている。
ただ、人口普及率から見ると21.4%で世界第13位、米国の39.4%と比較すると半分程度である。アジアの中でも韓国、香港、台湾、シンガポールなど利用の伸びは大きい。中国も政府が中心となり利用を促進するなど、インターネットに関して日本は決して先進国ではない。
「IT革命」と呼ばれるように、「ITは社会を根底から変えてしまいインターネットが新しい社会基盤となる」と考えられている。ビジネスにおける企業経営の効率化から教育現場の情報化まで、世界中がその利益を享受するために競い合っている。そういったIT革命の波に乗れなければ日本は国際的な競争力を失うことが心配されている。
急速にインターネットの利用が進む中、インターネットの利用環境においても大きな変化が起こっている。
情報インフラにおいては「常時接続」「定額料金」「高速サービス」が今後のキーワードになると考えられ「CATV」「ADSL」「無線」「衛星」「光ファイバー」といった仕組みを使ったサービスが開始された。そういった動きを捉えてNTTもISDNを使った「IP接続サービス」を開始している。
また、iモードに代表されるモバイル環境でのインターネット利用が拡大しつつある。2001年春からサービスが予定されている次世代携帯電話「IMT-2000」 では、パソコンを使わなくとも高速通信が可能となり、ワイヤレスでインターネットを利用できる環境が整うと考えられる。
「IMT-2000」 は、通信するための「電話」というより「どこでも使える常時接続されたインターネット端末」といった性格を強めると考えられる。
接続サービス事業においてはプロバイダ数は依然として増加傾向にあり、郵政省への届出だけでも 4000件を突破している。無料プロバイダの登場など、競争はいっそう激化しており生き残りをかけて「安さ」「品質のよさ」「コンテンツの充実」で差別化を図っている。
契約プロバイダは個人利用では「@nifty」(21.5%)「BIGLOBE」(11.8%)。企業利用では「@nifty」(29.0%)「OCN」(25.3%) であるが全体的なシェアは分散傾向にあり、利用者のニーズに応じた住み分けが進んでいる。ニーズのトップは個人、企業ともに「安さ」であるが、また同様に「友人・知人の勧め」 「サポートが良いから」といった事が上位に位置しており、信頼性が大きな判断基準になっている。
また、相変わらず「繋がりやすさ」「アクセスポイントが多いから」といった理由も多く、ダイヤルアップ接続も全体での割合は減少しているが総数としては増加している。今後はさらに企業向けと個人向けサービスの二極化や大手と地域密着型、付加価値型の使い分けが進み、ユーザーにとってはニーズに合った選択肢が増えることになる。それぞれのサービスでいかにユーザーに支持されるかが重要な鍵になり、地域プロバイダ事業においては、地域に密着した活動とどういった連携を取れるかが重要な要素になるだろう。
インターネットは、生涯学習、高齢者対策、保健医療・福祉の連携、環境問題などの生活に密着した情報を効果的に利活用するための有効なメディアであり、地域での組織的な情報化への取り組み、商用利用の促進が地域の活性化を図る上で重要な鍵と考えられる。
協議会では地域ボランティアとビジネス活用の両面で、運営委員会メンバーを中心にプロジェクトチームを編成し、それら活動を展開していきたい。


|| H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13 || 14|| 15