Kurume・Tosu Internet Conference
「The Journal of Internet」 Volume4,2000 || H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13 || 14|| 15
目が不自由っていっても、それだけのこと
ハーネスみなわ代表
田中 邦明
Kuniaki Tanaka
ハーネスみなわホームページ
http://fukuoka.cool.ne.jp/minawa/minawa.html
1998年夏も近づいたある日、シニアネット久留米のメーリングリストに、一通のメールが流れました。福岡県盲人協会青年部がMS-DOSでのLotus1-2-3講習会を計画しており、講師を捜しているので協力してほしいというメールでした。ハーネスみなわの誕生
講習会の開催に至るまではとまどいも多く、紆余曲折はありましたがどうにか実行にこぎつけました。縦横の概念を基本とする表計算ソフト、視覚には障害のない講師陣と視覚障害者の受講者の間で感覚のずれも生じたにちがいありませんが、講師陣やサポーター、受講者とも何かを得るもののあった手探りの講習会でした。講習会の最後には、NTTのご協力を仰ぐことができて、Windows下でのインターネット・メール体験をしてもらいました。
講習会をここで終わらせてしまうには余りにももったいないということで、知り合った仲間のこのような関係をさらに強力なものにしていくための邑(むら)づくりをはじめました。そして、1999年の3月、視覚障害者のほうから「ハーネス」、サポーター側から「みなわ」が提案され、「ハーネスみなわ」という名前の邑が誕生しました。この邑は筑後視覚障害者パソコンクラブや点訳グループ、ソフト制作者、シニアネット久留米の有志などの多才な方達が陰になり、日なたになって行動できることであり、また目の不自由なかたも指導者であるということです。視覚障害者は弱者か
ハーネスみなわとしての初のお披露目はインターネットフェスタ99でした。視覚障害者による音声パソコンのデモを行っただけでしたが、間際での実行決定にもかかわらずインターネット協議会のご協力でどうにか場所を確保していただくことができました。
それから、福祉祭りやその他の各種の行事に参加して音声でのパソコンやインターネットを実演することにより、視覚障害者が弱者になってはいけない、決して弱者ではないことを皆さんに知ってもらうという目的が一つづつ達成されていっているように感じています。
目からほとんど情報を得ることができないというハンディをもった視覚障害者にとって、パソコンやインターネットは視覚障害者相互の情報交換はもちろんのこと、視覚に障害のない人たちとの交流に非常に強力な武器になっているようです。パソコンやインターネットという武器を使用することで、明らかに仲間は変わりました。このような行事に積極的に参加することで、皆さんと交流することにより、自分たちの役割をひとつずつ見出してきています。各種行事の紹介
1999年 3月21日 インターネットフェスタ'99<音声パソコンの紹介> 5月16日 第21回ふれあい福祉祭<音声パソコンとインターネット> 7月11日 瀬高町立図書館創立一周年記念図書館祭<高齢者とインターネット> 11月3日 基山祭り<音声パソコンとインターネット> 2000年 3月5日 :インターネットフェスタ2000<音声パソコンとインターネット 視覚障害者向けソフト、機器展>
講習会
1999年 7月18日、8月8日、9月12日、10月17日、11月21日 県盲人協会青年部委託1999年度Windows講習会 2000年 2月6日 2000年 5月21日、8月20日、9月17日、10月22日、11月19日 県盲人協会青年部委託2000年度Windows講習会、その他ホームページ勉強会など
視覚障害者向けソフト業者による説明会
1999年 11月14日 IBMによるホームページリーダー講習会(ホームページ音声化ソフト) 12月12日 システムソリューションセンターとちぎによる98Reader(Windows基本音声化ソフト)とその周辺の説明会 2000年 2月20日 アメディア「ボイスサーフィン」講習会(ホームページ音声化ソフト)
その他
1999年 6月 久留米市ホームページ・ボランティア活動情報提供に登録 7月 視覚障害者向けデジタルマガジン「アクセスレビュー」に記事寄稿 10月30日 バスハイク 12月6日 読売新聞に記事掲載 2000年 6月20日 ハーネスみなわ規約公開 7月9日 シニアネット久留米ビデオ委員会取材、シティネットワーク久留米取材
ハーネスみなわの進む道
いわゆる視覚障害者と呼ばれている方たちを知るにつれ、視覚障害者の潜在的な能力に驚くとともに、これらの能力を引き出すことで、いわゆる視覚障害者と晴眼者の気持ちの上でのギャップをなくし、対等の立場で社会生活を送れるような環境を作る必要性を感じました。彼らは目が見えないだけ、情報を入手する手段が限られているだけで、情報入手の手段としてインターネットあるいはEメールは非常に強力な武器を持つことによって発揮できるようになった能力を、いろいろなイベントに参加することで、皆さんに理解してもらうことができてきています。
障害者と健常者という住み分け、それはある面では必要なことかもわかりません。でも、必要以上に住み分けが進むと、能力を摘んでしまい、枠のなかに押し込んでしまうような気がします。これから、高齢化社会が進むにつれ、現時点では障害者と呼ばれてない社会的な弱者が激増していくと思います。わたくしはそのような中で視覚障害者と呼ばれる方たちにリーダーとして能力を十分に発揮してもらいたいと考えています。メーリングリスト<blind-touch>
あと一つのハーネスみなわの活動について紹介いたします。E-mailが視覚障害者にとっての情報交換の場として有益なものです。そこで、視覚障害者にまずE-mailを経験していただくことで情報交換の楽しさを知ってもらう、さらにいろんな必要な情報のやり取りもしてもらうためにblind-touchというメーリングリストを1998年12月9日に開設しました。現在では九州内の視覚障害者を中心に100名あまりが登録しており、2000年7月20日現在で3700通弱のメールが飛び交っています。新聞の切抜きをタイプしたり、料理レシピをタイプしてメールすることで、パソコンに慣れるよう努力している人もいます。このメーリングリストへの参加をご希望される方はharnes@minawa.forum.ne.jpまでメールください。
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