Kurume・Tosu Internet Conference
「The Journal of Internet」 Volume2,1999 || H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13
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一般家庭からのインターネット接続というと、モデムによるダイアルアップ接続がベーシックです。最近は56Kbpsの通信も可能になったが、Webコンテンツのマルチメディア化により速度の限界を感じる人も多いようだ。 インターネット久留米では最初から、ISDN接続を中心した接続環境を提供してきた。しかし、ISDNといえども64Kbps、同時に2回線使っても128Kbpsである。ちょっと前、128Kbpsでディジタル通信といえば超高速といったイメージだったが今ではそれほど高速には感じられない。ユーザはさらに高速なインターネット接続を望み始めている。 今年になって高速接続のための技術が話題にのぼるようになってきた。CATVインターネットの運用が各地で開始され、久留米地域でもつい最近サービスが開始された。私もテスト運用に参加したが、2Mbpsを越える速度でデータのダウンロードができた。さらに、NTTサテライトコミュニケーションズ(http://www.nttsc.co.jp/)がサービスを始めた衛星インターネットのMegaWaveは1Mbpsの速度を提供している。一般家庭の接続もメガの時代に突入した。 いままで、コンピュータ通信は電話から離れることができなかったが、CATVや衛星など通信メディアの多様化の方向が見えてきてきた。2005年にNTTは家庭にも光ケーブルを引くとアナウンスしているし、イリジウムで話題になっている衛星携帯電話の低軌道周回衛星技術をインターネットに適応する話など、大きな通信メディアの変化が我々の目に映ってくることだろう。 モデムを使って通信をしている人たちの望みは高速な通信だった。CATVインターネットにはそれを期待して加入することになるだろう。 しかし、CATVインターネットが提供してくれる最大の恩恵は、高速な通信ではなく常時接続であることに気づくはずである。いつでも使える。ちょっとだけ使ってその場所を離れることができる。さらにグローバルアドレスを取得できればサーバを自ら運用し、外部から自宅のコンピュータをアクセルできる。 これは一度体験したらやめられない。出先から自宅のコンピュータを自由にコントロールできる。自宅で仕事をしたファイルもフロッピーに入れる必要もなければ、メールで転送する必要もない。必要になった時に自宅のコンピュータをアクセスすればいいのである。 将来的に家の家電品がネットワークで接続されるようになったとする。家のセキュリティチェック、ビデオの録画、炊飯器やエアコンのリモートコントロール、ネットワークに接続されている場所ならどこからでもコントロール可能になる。そのころにはビデオはディジタル化されており、テープではなくディスクに録画されるようになるだろう。そうなったとすると、ビデオ画像そのものをみることが可能になる。 このような話はもはや未来の話ではない。インターネット冷蔵庫という話がある。話はつまらなくて冷蔵庫の扉にWeb機能がつくだけだったのですが、よく考えてみると冷蔵庫は常時電源が入っており、おまけに冷却機能完備である。家庭用インターネットサーバとしては最適な環境ではないか?常時接続可能、これは完璧なホームコンピュータのベースとはならないか?パソコンを24時間つけておくということは違和感があるが、冷蔵庫は24時間連続運用である。冷蔵庫の付属機能にインターネットサーバがついたら家で即4時間運用可能だろうと思ったのである。 NTTも常時接続環境の提供を検討しており、今年の後半には具体的な動きにでそうである。ISDNの市内定額接続、ADSL技術によるインターネットアクセスラインの提供、ISDNによる直接インターネット接続、通信容量を拡大するおもしろい話はどんどん出て来る。 高速接続も常時接続も、質の変化というより量の変化をもたらす。質のみの変化は難しくなかなか世の中を変えてはいけない。しかし量の変化はまたたくまに世の中を変えていく。パソコンの急速な普及は通信の方向を変えた。通信量の変革は何を変えるのか楽しみである。通信量の変化が、逆にコンピュータを変えることも多いにありうるのではないか? |
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