Kurume・Tosu Internet Conference

「The Journal of Internet」 Volume2,1999 || H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13

インターネット最新技術

21世紀の地域イントラネットの構築をめざして

久留米・鳥栖地域インターネット協議会 運営委員
久留米市情報化推進室 猪口 徹
情報用語の解説

地域イントラネット
 イントラネットは、WWWサーバーやブラウザ(ホームページ閲覧ソフト)等のインターネット技術を活用し、低コストで構築可能な企業内情報システム。地域イントラネットは、この概念を地域の公共ネットワークに応用したもので、地域住民に公共分野の情報サービスを可能とするもの。
 インターネットや携帯電話の爆発的普及に見られるように、情報通信ネットワークの急速な高度化が市民の生活を変化させつつある中、久留米市では、平成8年4月より地域の市民や企業が手軽にインターネットを利用できるための接続環境を地域内に整備し、「久留米から世界へ、世界から久留米へ」をめざして地域ネットワークの構築を進めてきました。

 高度情報化に対応した地域社会を実現するには、まず、地域に情報通信インフラを整備することが不可欠であり、高速な伝送速度を有する常時接続環境の情報通信網を企業や家庭まで広げ、地域情報を如何に活用するかが大きな鍵となっています。

 そこで久留米市では、21世紀の地域情報通信基盤としてのCATV網活用の可能性調査を目的に、平成8年11月に久留米情報みらい21研究プロジェクトを立ち上げ、FTTH(FTTH=ファイバー・ツー・ザ・ホーム・・・膨大なデータを扱うことのできる光ファイバを各家庭に今の電話線のように敷設しようというスローガン)による地域イントラネットの実現、放送と通信の融合による双方向性を活かしたアプリケーションの展開、地域ネットワーク構築による多様で多元的な価値のある地域情報の創造などを目指し、実験に取り組みました。

 実験には富士通(株)に技術的ご支援などをいただき、CATV事業を行っている(株)ケーブルテレビジョン久留米、地域プロバイダー事業を行っている久留米・鳥栖広域情報(株)などのご協力のもと、教育分野での利用実験や個人モニターなどによるビジネス・パーソナルユース実証実験実験を行い、その成果として、本年6月より(株)ケーブルテレビジョン久留米による事業化がスタートしたところであります。

 この、常時接続で高速のインフラは、これまでのダイアルアップによる間欠接続とは異なり、ダイアルする時間が不要、従量課金がないことなどから、ウェブは思い付いたらすぐに検索できるパソコンに内臓の百科事典のような使い方ができますし、メールを電話やFAXのように届いたらすぐにチェックするという使い方もできます。

 このような利用形態の変化は、サービス提供の視点からは新規ビジネスを生み出すことが期待され、利用者の視点からは、福祉分野や教育文化分野などで市民の利用の高度化が期待できます。

 しかしながら、ハードインフラが整備されるだけでは情報化は進みません。実用的・効果的なアプリケーションの展開と、情報機器を使いこなせる人材を増やし市民の情報リテラシーの向上を図っていくことが重要になります。

 私は、以前インターネット協議会の仕事に携わった関係で、地域のボランティアグループ”世話焼き隊”の結成に関与し、以来、一”隊員”として活動を縦続しておりますが、この”世話焼き隊”は、電子メールの面白さを多くの人に教えてあげたいという”隊長”の”おせっかい心”がきっかけでスタートし、以来、趣旨に賛同する20人を越える隊員が集まり自宅までの訪問レスキューや、月1回(最近、月2回になりました)の例会への持ち込み相談などに対応しています。

 協議会では、初心者向けのインターネット学習会を数多く開催しており、市民の情報リテラシーの向上の一端を担っていると思いますが、”世話焼き隊”の地道な活動がこれを補完し、地域に一人でも多くの方がインターネットや電子メールを使いこなせるようになればと思っています。

 久留米市では、今後、教育・生涯学習・福祉分野などでの地域アプリケーションの展開を進め、地域イントラネットの構築を図っていきますが、これを有効に活用していただくためにも、今後とも、情報化を担う人づくりに力を入れていきたいと考えています。


|| H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13